ジャーナリズム

速報性を追いかけているはずの新聞や週刊誌よりも、調査報道が旨の月刊購読誌の方が深いところで新規性のある記事にお目にかかれることが多い。調査報道の雑誌で読んだ話題を何テンポか遅れて新聞やテレビが後追いして盛り上がっているという光景をよく見る。

これこそが読者が月刊購読誌を敢えて選ぶ所以なのだろうけど、速報性を是とするはずの新聞のジャーナリズムとやらはどこへ行ったのかという疑問も持ち上がる。常に新しい情報をといたずらに追いかけるあまりに、社会の深いところに埋もれた真に報道性、公共性のある問題を結果的にいつまでも取り上げられずにいる、というパラドックス

これからのインターネットの時代に、新聞の存在意義は本当にあるのかという問題につながる。単に薄っぺらい速報記事だけを追いかけるなら、今のような重厚な新聞社の組織は必要なくなるだろう。速報だけを追いかけるインターネットニュースと調査報道をする月刊誌、という住み分けだけで済むはずだ。新聞の意義が問われる中、ジャーナリズムの制度もそういう形に再構築されていくだろう。